
「資金繰りが厳しくて、ファクタリングを使おうと思っているんだけど、建設業の場合、請求書発行からどんな流れで申し込めばいいのかな?必要な書類とか手続きが複雑そうで少し不安で…」

「建設業のファクタリング申込みは、確かに一般的な業種と少し異なる部分がありますね。工事請負契約や出来高報告書など、建設業特有の書類が必要になることもあります。」

「そうなんだ。請求書を発行してからどのくらいで現金化できるの?あと、申込みに必要な書類や審査基準はどうなっているのかな?」

「スピード感は業者によって異なりますが、早ければ申込みから数日で資金化できるケースもありますよ。ただ、建設業の場合は契約内容の確認や元請けとの関係性なども重要になってきます。」

「なるほど。初めてだから手続きがスムーズに進むか心配なんだよね。失敗したくないし。」

「この記事では、建設業の請求書発行からファクタリング申込みまでの具体的な流れや、必要書類のチェックリスト、申込時のポイントを詳しく解説しています。初めての方でも安心して申し込めるよう、ステップバイステップで説明していますよ。」
建設業界では工事完了から入金までの期間が長く、資金繰りに悩む経営者が少なくありません。特に中小規模の建設会社にとって、売上は立っていても入金までのタイムラグが経営を圧迫することがあります。そうした状況を改善する手段としてファクタリングが注目されていますが、実際にどのような流れで利用するのかわからない方も多いでしょう。本記事では建設業における請求書発行からファクタリング申込、そして資金化までの具体的な流れを解説します。
建設業の請求書発行と回収サイクルの特徴
工事完了から請求書発行までの流れ
建設業の請求書発行プロセスは、他業種と比べていくつかの特徴があります。一般的な流れとしては以下のようになります。
まず工事が完了すると、発注者または監理者による完成検査が行われます。この検査に合格すると「完成検査調書」や「工事完了証明書」などの書類が発行されます。これが請求の前提条件となる重要な書類です。
例えば東北地方の年商2億円の建設会社では、大型商業施設の改装工事(5,000万円)完了後、発注者の設計事務所による完成検査を受けました。検査には工事監理者と現場責任者が立ち会い、指摘事項の修正を経て、最終的に完成検査調書が発行されました。この書類取得までに工事完了から約1週間を要しています。
完成検査調書取得後、正式な請求書を発行します。建設業の請求書には一般的な記載事項(発行日、宛先、金額など)に加え、工事名、工期、契約番号などの情報も記載します。また請求書と一緒に、工事写真や完成図面などの成果物を提出することも少なくありません。
関東地方の年商1億5,000万円の内装工事会社では、検査合格後に「工事完了報告書」と「請求書」を同時に提出。請求書には契約書番号、工事場所、工期を明記するとともに、完成写真のアルバムと図面一式を添付しています。
支払いサイクルと資金繰りへの影響
建設業界の支払いサイクルは、一般的に長期にわたることが特徴です。その実態と資金繰りへの影響を見てみましょう。
公共工事の場合、検収完了から支払いまでに約30日〜40日を要します。完成検査から検収までの期間も考慮すると、工事完了から入金までは通常45日〜60日程度となります。
民間工事では支払条件がさらに長くなる傾向があります。一般的には「検収月末締め翌月末払い」や「検収月末締め翌々月末払い」といった条件が設定されており、工事完了から入金までに60日〜90日を要することも珍しくありません。
例えば関西地方の年商3億円の建設会社では、大手デベロッパーの商業施設工事(7,000万円)で「月末締め翌々月末払い」という条件でした。1月15日に工事完了・検査合格となりましたが、1月末締めのため、実際の入金は3月末となりました。工事完了から入金まで約75日のタイムラグが生じています。
この長期の支払いサイクルは、建設会社の資金繰りに大きな影響を与えます。特に以下のような状況では資金繰りの課題が深刻化しやすいです。
複数の工事が同時進行する繁忙期:資材費や人件費の支出が膨らむ一方、入金は後になるため、一時的な資金不足に陥りやすい 大型工事の完成直後:多額の売掛金が発生するが入金までに時間がかかるため、次の工事着工に必要な資金が不足する 年度末の集中請求時:特に公共工事では3月に工事が集中し、請求も集中するが、入金は4月以降になるため、年度末から年度始めにかけての資金繰りが厳しくなる
九州地方の年商2億円の建設会社では、3月に3件の公共工事(合計1億2,000万円)が完成し、請求も行いましたが、入金は4月下旬から5月上旬。この間の資金繰りに苦労したといいます。
こうした状況を改善するためのツールとして、ファクタリングの活用が広がっています。次に請求書発行後のファクタリング活用プロセスを詳しく見ていきましょう。
ファクタリング申込前の必要書類と準備
建設業特有の必要書類とその取得方法
建設業でファクタリングを利用する際には、他業種と比べて特有の書類が必要となります。ここでは必要書類とその取得方法について解説します。
まず「工事請負契約書」が必要です。これは工事の基本情報(工事名、契約金額、工期、支払条件など)を確認するための書類です。契約書の全ページが必要になる場合もあれば、重要事項(契約者、金額、工期、支払条件など)が記載されたページのみで良い場合もあります。
次に「完成検査調書」または「工事完了証明書」が重要です。これは工事が完了し、発注者の検査に合格したことを証明する書類で、発注者または監理者の署名・押印があることが一般的です。この書類がファクタリングの審査において特に重視されます。
中部地方の年商1億8,000万円の建設会社では、ファクタリング審査の際に完成検査調書の提出を求められましたが、発注者からは受領印のある「工事完了届」しか発行されていませんでした。そこで急遽、発注者に「工事完了証明書」の発行を依頼し、署名入りの書類を取得。これによりファクタリングの審査がスムーズに進んだといいます。
また「請求書(控え)」も必須です。請求書には工事名、請求金額、支払期日などが明記されており、発注者の受領印があるものが望ましいです。
さらに建設業特有の書類として、「出来高査定書」(部分払いの場合)や「工事写真」(着工前・完成後)、「施工体制台帳」なども審査の参考資料として求められることがあります。
東京の年商2億5,000万円の建設会社では、オフィスビルの改装工事(6,000万円)のファクタリングを申し込んだ際、工事の実態を証明するために「着工前」「施工中」「完成後」の写真アルバムも提出。これにより工事の確実な完成が証明され、審査もスムーズに通過したといいます。
これらの書類を効率的に収集するためには、工事開始前から計画的に準備を進めることが重要です。特に発注者からの署名入り書類は取得に時間がかかることもあるため、工事完了時に速やかに発行してもらえるよう、事前に調整しておくことをお勧めします。
社内での審査前チェックポイント
ファクタリング会社に申し込む前に、社内で事前チェックを行うことで、審査をスムーズに進めることができます。以下が主なチェックポイントです。
まず「契約書と請求内容の整合性」を確認します。工事請負契約書に記載された工事名、契約金額、工期と、請求書の内容が一致しているかをチェックします。不一致があると審査で指摘される可能性があります。
特に追加・変更工事がある場合は注意が必要です。北海道の年商2億円の建設会社では、当初契約7,000万円の工事に500万円の追加工事が発生し、合計7,500万円の請求を行いました。しかしファクタリング申込時に追加工事の変更契約書の提出を忘れたため、審査が保留になるというトラブルが発生しました。追加工事分の正式な契約書や注文書を揃えることで解決しましたが、余計な時間を要することになりました。
次に「完成を証明する書類の明確さ」もチェックします。完成検査調書や工事完了証明書には、発注者または権限のある監理者の署名・押印があることが重要です。また日付が明記され、工事の完了を明確に証明する文言が含まれていることも確認しましょう。
関西地方の建設会社では、工事完了証明書に監理者の署名はあったものの日付の記載が漏れていたため、ファクタリング会社から追加の証明書を求められた事例があります。このような不備を事前にチェックすることで、申込後のやり取りをスムーズにできます。
また「発注者の支払能力情報」も重要です。ファクタリング会社は発注者(債務者)の支払能力を重視するため、発注者の基本情報(会社規模、上場/非上場、業歴など)や、可能であれば過去の支払い実績に関する情報も準備しておくと良いでしょう。
九州地方の年商1億5,000万円の建設会社では、地元の中堅企業発注の工事(3,500万円)のファクタリングを申し込んだ際、発注者の会社概要資料と過去3年分の取引実績(支払い遅延なし)を示す資料を提出。これにより信用リスクが低いと評価され、手数料率の引き下げにつながったといいます。
ファクタリング申込から資金化までの具体的プロセス
申込方法の選択と必要情報の提出
建設業の工事代金債権をファクタリングで資金化するため、具体的な申込方法と必要情報について解説します。
ファクタリングの申込方法としては、主に以下の3つがあります。
オンライン申込:ファクタリング会社のウェブサイトから必要事項を入力し、書類をアップロードする方法 電話・メール申込:ファクタリング会社に電話またはメールで問い合わせ、必要書類をメールで送付する方法 訪問相談:ファクタリング会社の担当者が建設会社を訪問し、直接相談しながら申込手続きを進める方法
東北地方の年商3億円の建設会社では、初めてファクタリングを利用する際に訪問相談を選択。担当者と直接対話しながら手続きを進めることで、建設業特有の契約形態や書類について詳しく説明でき、スムーズな審査につながったといいます。2回目以降はオンライン申込に切り替え、効率的に手続きを進めています。
申込時に必要な情報は以下の通りです。
会社情報:会社名、所在地、代表者名、設立年、資本金、年商、従業員数など 取引内容:債権金額、支払期日、ファクタリング希望金額 発注者情報:発注者の会社名、所在地、業種、規模、取引歴など 工事情報:工事名、工事場所、工期、完成日、検査完了日など
また申込と同時に提出する書類は以下の通りです。
会社確認書類:登記簿謄本、印鑑証明書、決算書(直近1〜3期分) 債権関連書類:工事請負契約書、完成検査調書、請求書(控え)、工事写真など 本人確認書類:代表者の身分証明書
中部地方の建設会社では、事前に専用のファイルを作成し、ファクタリング申込に必要な書類を分類・整理して保管。申込時にはこのファイルから必要書類を抽出してスキャンし、一括送付する仕組みを構築しています。これにより申込から審査までの時間を大幅に短縮することに成功しました。
審査プロセスと資金化までのタイムライン
ファクタリング申込後の審査プロセスと資金化までのタイムラインについて解説します。
一般的な審査プロセスは以下のような流れで進みます。
① 書類審査:提出された書類をもとに、債権の内容や建設会社・発注者の信用状況を確認 ② 追加調査:必要に応じて追加情報の提供や電話確認が行われる ③ 条件提示:審査結果をもとに買取金額や手数料率などの条件が提示される ④ 契約締結:条件に合意すれば、債権譲渡契約を締結 ⑤ 資金振込:契約完了後、指定口座に買取代金が振り込まれる
関東地方の年商2億円の建設会社の事例では、公共工事(8,000万円)のファクタリング申込から資金化までのタイムラインは以下のようになりました。
1日目:オンラインで申込、必要書類を提出 2日目:ファクタリング会社から電話で追加確認(工事完了状況、発注者情報など) 3日目:条件提示(買取金額7,600万円、手数料率5%)、条件に合意し契約書に署名 4日目:契約書の受領確認後、指定口座に買取代金が入金
この会社は公共工事という信用度の高い債権だったこともあり、申込から入金まで4日間という短期間で完了しています。
一方、審査に時間がかかるケースもあります。九州地方の年商1億円の建設会社では、地元の中小企業発注の工事(2,500万円)のファクタリングを申し込んだところ、発注者の信用情報が不足していたため、追加の調査が必要となりました。最終的に申込から入金まで7営業日を要したといいます。
資金化までのタイムラインは、主に以下の要因によって変動します。
発注者の信用力:大手企業や公共機関などの信用度の高い発注者の場合、審査がスムーズに進む傾向 債権の明確さ:契約書や完成証明書が明確で、債権の存在に疑義がない場合は審査が早い 提出書類の完全性:必要書類が漏れなく提出され、内容に不備がない場合は審査がスムーズに進む ファクタリング会社の専門性:建設業に精通したファクタリング会社は、審査プロセスが効率的
これらの要因を考慮し、できるだけスムーズな審査を実現するためのポイントを次のセクションで詳しく解説します。
建設業における効率的なファクタリング活用のポイント
審査通過率を高めるためのコツ
建設業の工事代金債権をファクタリングする際、審査通過率を高めるためのコツを紹介します。
まず「完成の明確な証明」が最重要です。ファクタリング会社にとって、工事が確実に完了していることの証明は審査の最大のポイントとなります。以下の方法で完成の証明を強化しましょう。
発注者または監理者の署名入り完成検査調書の取得 工事の「着工前」「施工中」「完成後」の日付入り写真の提出 完成図面と実際の施工状況の整合性を示す資料の準備
関西地方の年商2億5,000万円の建設会社では、オフィスビルの改装工事(7,000万円)のファクタリングを申し込む際、通常の完成検査調書に加え、発注者の担当者立会いのもとで撮影した「完成確認写真」(日付入り)をアルバムにまとめて提出。工事の確実な完了が視覚的にも証明できたことで、審査通過につながったといいます。
次に「発注者の信用情報の充実」も重要です。ファクタリング会社は発注者(債務者)の支払能力を重視するため、発注者に関する情報を充実させることで審査通過率が向上します。特に初めて取引する発注者の場合は、以下のような情報を用意するとよいでしょう。
発注者の企業概要(資本金、売上高、従業員数、業歴など) 上場企業の場合は証券コードや株価情報 過去の取引実績や支払い履歴(特に支払いの遅延がなかったことを示す資料)
中部地方の建設会社では、新規取引先からの受注工事(5,000万円)のファクタリングを申し込んだ際、当初は「取引実績がない」として審査に時間がかかりました。しかし発注者の決算書(3期分)と企業信用調査レポートを追加提出することで、最終的に審査通過に至ったといいます。
また「複数社からの見積り取得」も効果的です。ファクタリング会社によって得意分野や審査基準が異なるため、複数社に同時に申し込むことで審査通過の可能性を高められます。また条件面での比較検討も可能になります。
九州地方の年商3億円の建設会社では、同じ工事債権(1億円)について3社のファクタリング会社に並行して申し込みました。その結果、1社からは「審査保留」との回答でしたが、残り2社からは異なる条件(手数料率5.5%と6.2%)で承認を得ることができました。複数社への申込がリスク分散につながった事例です。
2社間・3社間ファクタリングの使い分け
建設業の工事代金債権をファクタリングする際、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの選択も重要です。それぞれの特徴と使い分けのポイントを解説します。
2社間ファクタリングは、建設会社とファクタリング会社の間だけで契約が完結する形態です。発注者には知られずに資金化できるため、取引関係への影響を気にする場合に適しています。一方で手数料率は比較的高め(8%〜15%程度)に設定されることが多いです。
東北地方の年商2億円の建設会社では、20年来の取引がある大手デベロッパーとの関係を考慮し、2社間ファクタリングを選択しました。手数料率は10%(500万円)とやや高めでしたが、長期的な取引関係を優先する判断でした。「資金繰りに問題がある」という印象を与えることなく、5,000万円の工事代金を資金化することができました。
一方、3社間ファクタリングは、建設会社、ファクタリング会社、発注者の三者が関与する形態です。債権譲渡の通知と承諾が必要となるため手続きが複雑になりますが、発注者の支払い義務が明確になることで手数料率は低く(3%〜8%程度)抑えられる傾向があります。
関東地方の年商3億5,000万円の建設会社は、公共工事(1億2,000万円)の債権を3社間ファクタリングで資金化。自治体の承諾取得に約2週間を要しましたが、手数料率4.8%(576万円)という低率での資金化が実現しました。公共工事のように債務者の信用力が高い場合は、多少手続きに時間がかかっても3社間ファクタリングのほうがコスト面で有利になることが多いです。
これらを踏まえた使い分けのポイントは以下の通りです。
2社間ファクタリングが適するケース: 長期的な取引関係がある重要な発注者の場合 債権譲渡に関して発注者との関係に影響する可能性がある場合 資金調達の緊急性が高く、速やかな資金化が必要な場合 比較的小額の債権で、手数料の絶対額が大きくならない場合
3社間ファクタリングが適するケース: 公共工事など発注者の信用力が高い場合 大型の債権で、手数料率の差が金額的に大きな影響を与える場合 発注者との関係が良好で、債権譲渡の承諾を得やすい場合 債権譲渡禁止特約がなく、手続きがスムーズに進む見込みがある場合
中部地方の建設会社では、年間の資金計画において「公共工事と大手企業発注の大型工事は3社間ファクタリング、その他の工事は2社間ファクタリング」という使い分けルールを設定。これにより手数料コストの最適化と資金調達の確実性を両立させています。
建設業の請求書発行からファクタリング申込までの流れを理解し、適切な準備と戦略的な活用を行うことで、資金繰りの安定化と事業拡大の両立が可能になります。特に建設業特有の書類対応や審査ポイントを押さえ、発注者別・案件別に最適なファクタリング方法を選択することが成功の鍵となります。資金調達の選択肢としてファクタリングを効果的に活用し、健全な事業運営を実現しましょう。

