受託開発とプロダクト開発の両立!IT企業のファクタリング活用成功事例

IT業業界向け
社長
社長

うちのIT企業は受託開発がメインなんだけど、並行して自社プロダクトも開発したいと思っているんだ。でも、受託案件は納品から入金までのタイムラグがあるし、プロダクト開発は先行投資が必要で…。両方に人材とお金を振り分けるのが本当に難しくて。受託開発の安定収入は捨てられないけど、将来的には自社プロダクトで成長したいんだよね。

アドバイザー
アドバイザー

多くのIT企業が抱えるジレンマですね。受託開発は安定した収益をもたらしますが、自社の成長には限界があります。一方、プロダクト開発は大きな成長の可能性がありますが、収益化までの道のりは長いですし。

社長
社長

そうなんだよ。受託開発に人材を集中すれば当面の資金繰りは楽になるけど、プロダクト開発が進まない。かといってプロダクト開発に注力すると資金が枯渇するリスクがある…。この二つをうまく両立させる方法があれば知りたいんだけど。

アドバイザー
アドバイザー

IT企業向けのファクタリングサービスを活用する方法があります。この記事では、受託開発の売掛金を早期に現金化してプロダクト開発の資金に回す方法や、IT企業に適したファクタリング会社の選び方、実際の成功事例まで詳しく解説しています。受託開発の安定性を活かしながらプロダクト開発にも挑戦できる具体的な資金戦略が学べる内容になっていますよ。

IT業界では受託開発とプロダクト開発を並行して進める企業が増えています。一方でこの戦略には資金繰りの課題がつきものです。今回はファクタリングを活用してこの課題を克服したIT企業の事例を紹介します。

IT業界特有の資金繰り課題とは

IT業界、特にソフトウェア開発会社では受託開発と自社プロダクト開発の両立を目指す企業が増加しています。受託開発は安定した収入源となる一方、自社プロダクト開発は将来的な成長とスケーラビリティを実現する重要な施策です。しかしこの両立には特有の資金繰り課題が存在します。

受託開発の入金サイクルによる問題

受託開発案件では契約から納品、入金までのサイクルが長期化することが一般的です。多くの場合、契約締結後に着手金(全体の20〜30%程度)が支払われ、中間納品時に一部(30%程度)、最終納品・検収後に残金(40〜50%)という支払いスケジュールになります。大型案件では最終入金までに3〜6ヶ月かかるケースも珍しくありません。

プロダクト開発に必要な継続的投資

一方で自社プロダクト開発には継続的な資金投入が必要です。エンジニアの人件費、サーバー費用、マーケティング費用など固定的なコストが発生し続けます。プロダクトが収益化されるまでの期間も長期化する傾向にあり、その間の資金繰りが経営課題となります。

A社の事例:急成長中のSaaS開発会社の資金繰り改善

ここでは年商1億2000万円、従業員15名のSaaS開発会社A社の事例を紹介します。A社は企業向けのプロジェクト管理ツールを自社開発する一方、大手企業からの受託開発案件も請け負っていました。

A社が直面していた課題

A社は大手製造業B社から基幹システムの一部リプレイス案件を受注しました。契約金額は3200万円、開発期間は6ヶ月の大型案件です。契約条件は以下のとおりでした。

  • 契約時:着手金として800万円(25%)
  • 中間納品時:960万円(30%)
  • 最終納品・検収後:1440万円(45%)

この案件のために開発リソースを集中させる必要があり、4名のエンジニアをアサインしました。月間の人件費だけで合計360万円のコストがかかります。さらに自社プロダクト開発も停滞させるわけにはいかず、並行して3名のエンジニアによる開発を継続する必要がありました。

キャッシュフロー予測と危機感

A社の財務担当者が作成したキャッシュフロー予測は厳しいものでした。着手金800万円を受け取った後も、人件費や経費の支払いが続くため、中間納品までの3ヶ月間でキャッシュが底をつく計算になりました。さらに最終納品後も検収に1ヶ月、その後の入金までに1ヶ月かかると予測され、最終的な入金までに合計8ヶ月の期間が見込まれました。

このままでは自社プロダクト開発のための開発投資を継続できないだけでなく、運転資金も危機的状況になることが明らかでした。

ファクタリング活用による解決策

A社はこの状況を打開するためにファクタリングの活用を検討しました。複数のファクタリング会社に相談した結果、IT業界の取引に精通している専門ファクタリング会社C社と契約することにしました。

ファクタリングの仕組みと導入メリット

ファクタリングとは売掛金を早期に現金化するサービスです。通常、売掛金を買取企業(ファクター)に売却することで、支払期日前に資金を調達できます。A社の場合、次のようなメリットがありました。

  • 売掛金の早期現金化による資金繰り改善
  • 銀行融資よりも審査が柔軟(与信は売掛先企業に対するもの)
  • 負債として計上されないため財務状況への影響が少ない
  • 取引先に知られずに利用できる2社間ファクタリングも選択可能

A社が選んだファクタリングプラン

A社はB社への売掛金に対して2社間ファクタリングを利用することにしました。中間納品時の売掛金960万円と最終納品時の売掛金1440万円をそれぞれファクタリングすることで資金繰りを改善する計画です。

C社から提示された条件は以下のとおりでした。

中間納品時の売掛金960万円に対して:

  • 手数料率:3.8%(36.5万円)
  • 即時入金額:923.5万円
  • 発生時期:中間納品後、B社の検収完了時

最終納品時の売掛金1440万円に対して:

  • 手数料率:4.2%(60.5万円)
  • 即時入金額:1379.5万円
  • 発生時期:最終納品後、B社の検収完了時

ファクタリング導入後の変化

A社はファクタリングを導入することで資金繰りが大幅に改善されました。具体的には次のような変化がありました。

キャッシュフローの安定化

ファクタリング導入前は中間納品後の入金までに30日、最終納品後の入金までに60日かかると予測されていました。ファクタリングを利用することで、検収完了と同時に資金を調達することができるようになり、キャッシュフローが安定しました。

これにより月々の人件費や固定費の支払いに悩むことなく、事業運営を継続することができました。手数料として約97万円の費用が発生しましたが、資金ショートによる事業機会の損失や緊急融資の手配などを考えると、適切な判断だったと評価しています。

プロダクト開発への継続投資が可能に

安定したキャッシュフローにより、自社プロダクト開発への投資も計画通り実施できました。当初予定していた機能拡張に加え、マーケティング活動も強化することができ、プロダクト部門の月間売上が前年比40%増加するという成果も得られました。

次の大型案件受注への自信

資金繰りに対する不安が解消されたことで、次の大型受託案件も積極的に受注できるようになりました。実際に年商1億円規模の別の企業からシステム開発案件の引き合いがあった際も、ファクタリングを活用した資金計画を立てることで、自信を持って提案・受注することができました。

ファクタリング活用のポイント

A社の事例から、IT企業がファクタリングを活用する際のポイントが見えてきます。

取引先の信用力を活かす

ファクタリングでは取引先(売掛先)の信用力が重要です。A社の場合、取引先が上場企業の大手製造業B社だったため、好条件でのファクタリングが可能になりました。中小企業や信用力が不明確な企業との取引では、ファクタリング手数料が高くなる傾向があります。

プロジェクトの進捗管理の徹底

ファクタリングを利用する場合、プロジェクトの進捗管理がより重要になります。検収が遅れるとファクタリングの実行も遅れるためです。A社では週次での進捗確認ミーティングを徹底し、納品スケジュールを厳守することで計画通りのファクタリング実行を実現しました。

複数のファクタリング会社を比較する

A社は当初、汎用的なファクタリング会社数社に相談しましたが、最終的にIT業界の取引に精通しているC社と契約しました。業界特性を理解している会社を選ぶことで、手数料率や審査のスムーズさなど有利な条件を引き出すことができました。

IT企業向けファクタリング活用のメリット

IT企業がファクタリングを活用するメリットは多岐にわたります。

入金サイクルの短縮による経営安定化

IT業界では開発期間が長期化するプロジェクトが多く、入金サイクルも長くなりがちです。ファクタリングを活用することで入金サイクルを短縮し、安定した経営基盤を築くことができます。A社の場合、最大2ヶ月の入金サイクル短縮が実現しました。

新規事業・プロダクト開発資金の確保

受託開発とプロダクト開発を両立させるには、安定した資金確保が必要です。ファクタリングにより受託案件の売掛金を早期に現金化することで、プロダクト開発への継続投資が可能になります。A社では手数料負担以上の価値を自社プロダクト開発から得ることができました。

銀行融資と組み合わせた柔軟な資金調達

ファクタリングは銀行融資の代替ではなく、補完的な役割を果たします。A社では事業拡大のための長期資金は銀行融資で調達し、短期的なキャッシュフロー改善にはファクタリングを活用するという使い分けをしています。これにより最適な資金調達ミックスが実現しました。

ファクタリング利用時の注意点

ファクタリングを活用する際には次のような点に注意する必要があります。

手数料コストの把握と事業計画への反映

ファクタリングには手数料コストが発生します。A社の場合、トータルで約97万円の手数料が発生しましたが、これを事業計画に織り込み、プロジェクト全体の収益性を確保することが重要です。場合によっては取引先との契約条件見直し交渉も検討材料になります。

依存体質にならないための経営改善

ファクタリングは資金繰り改善の有効な手段ですが、常に依存することは経営改善の機会を逃すことになりかねません。A社では月次で資金繰り状況を確認し、利益率の改善や契約条件の見直しなど根本的な経営課題への取り組みも並行して進めています。

適切なファクタリング会社の選定

ファクタリング会社の選定も重要です。手数料率だけでなく、業界理解度や審査スピード、担当者の対応力なども重視すべきポイントです。A社は複数社と面談した上で最終的にC社を選定しました。

まとめ

今回紹介したA社の事例は、ファクタリングを活用することでIT企業が受託開発と自社プロダクト開発の両立を実現した好例です。資金繰りに悩むIT企業にとって、ファクタリングは有効な選択肢の一つといえるでしょう。

ただし単にファクタリングを導入するだけでなく、プロジェクト管理の徹底や適切なファクタリング会社の選定、事業計画への手数料コストの反映など、戦略的な活用が成功のカギとなります。

IT業界は技術革新が早く、継続的な投資が求められる業界です。資金繰りに課題を抱えながらも成長を目指すIT企業にとって、ファクタリングは経営戦略の一部として検討する価値があるでしょう。

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